睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠呼吸障害(睡眠中に異常な呼吸を示す病態の総称)の一つです。「無呼吸(10秒以上の呼吸気流の停止)が一晩(7時間)の睡眠中に30回以上、もしくは睡眠1時間に平均5回以上(AI≧5)認められ、そのいくつかはノンレム期に出現するもの」と定義されます。
眠っている間の大きないびき、呼吸の停止、夜間頻尿、起きた時の倦怠感や頭痛・熟睡感の欠如、日中の眠気などが主な症状です。
肥満や首周りの脂肪沈着、扁桃肥大、舌が大きい(巨舌症)、あごが小さい(小顎症)などが原因で、上気道(空気の通り道)が閉塞することにより起こります。
検査
自覚症状があったり、いびきや無呼吸を指摘されたりした場合はまず医師の診察を受けましょう。問診時に睡眠、生活習慣、自覚症状などについてお聞きします。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、最初に簡易検査を行い、その検査結果によって精密検査または治療を行います。
治療
治療方法は、AHI(Apnea Hypopnea Index)と呼ばれる、睡眠1時間当たりの無呼吸・低呼吸指数によって決まります。簡易検査では、AHIが40以上、精密検査ではAHIが20以上の際に保険の適応で内科的治療(CPAP)を行うことができます。
内科的治療(CPAP)
「CPAP(シーパップ)」とは、正式には、nCPAP(nasal Continuous Positive Airway Pressure)、日本語では経鼻的持続陽圧呼吸療法と言います。一般的にはnを省略してCPAPと呼びます。
鼻に装着したCPAP装置のマスクから空気を送り込み、圧力で気道を広げます。
一般的に中等度~重症の方にとても有効で、患者さまの中には一晩で劇的に症状が改善されたり、身体が楽になりCPAP装置をしないと不安になるとおっしゃる方もいます。
また、多くの患者さまが高血圧や夜間頻尿などの症状も改善されています。
健康保険3割負担の方で約4,500円です。この他に、診察料や検査料(医師の判断により追加)などがかかります。